昨今、企業ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環としてペーパーレスを推進しています。
その他にも電子書籍など様々なものが電子化している現代ですが、紙の本や新聞が無くなることはないだろうとも言われています。
今回は古紙リサイクルの流れについて解説していきます。
古紙再生の基礎知識
日本では、1950年代から古紙回収が行われるようになりました。
古紙のリサイクルは大きく分けて以下の4つの工程で行われます。
➀収集・運搬
家庭や事業所から集められた古紙は自治体や民間業者によって収集され、工場に運ばれます。
また、民間業者ではリサイクルステーションなど無料で持ち込みができるボックスを設置して、古紙を収集している場合もあります。
➁選別
リサイクルステーションやご家庭から集められた古紙は、選別工場にて異物を取り除かれます。古紙を縛ってある紐やファイル、汚れている古紙を取り除く事で品質向上に繋がります。
③製紙会社にて中間処理
選別された古紙は、種類ごとにベールとよばれる塊に圧縮され、製紙会社に運ばれます。
製紙会社では粉砕機によって細かく砕かれ、水洗いやインク・汚れを除去する「脱墨」を行います。
これにより、再生紙の品質を向上させることができます。
④再生紙に生まれ変わる
水洗い、脱墨をした古紙は新しい紙の原料として約6割を占めており、重要な資源になっています。
リサイクル紙の品質保持
高級な紙を作るためには、古紙の中の短い繊維を取り除く工程が加えられることがあります。
また、特定の用途に合わせて防水加工や光沢加工を施すことで、紙の特性を向上させることもできます。
漂白を施した古紙は紙の白さが向上し、添加剤を加えると紙の強度や白さが向上させることができます。
環境への影響とリサイクル効果
木からパルプを製造する工程では、蒸解釜という大きな装置で、水と薬品を入れて煮ます。これによって硬いチップを柔らかくすることができます。
この時、大量の電力が消費されるのです。
一方、古紙を再生する際はこのパルプを作る過程が省略されているため、エネルギー消費が抑えられます。
エネルギー消費を抑えることはCO2の排出量の削減に繋がり、ひいては地球温暖化の防止にも繋がります。
古紙リサイクルの課題点
古紙は様々な種類があり、種類ごとに分別して収集する事が重要です。
しかし、地域によって指導や啓発の差があり、正確な分別が難しい現実があります。
品質面でも、再生紙は新しい紙に比べて強度や白さが劣るため、日々品質向上のための技術開発が行われています。
名古屋市西区に本社を置くナガイホールディングス株式会社では、24時間無料で古紙の持込が可能なリサイクルステーションを運営しています。
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