廃食用油のリサイクルの必要性
家庭から出た排水は、下水処理場で処理されるのは皆さんご存じかと思います。
廃食用油は下水処理場で処理をしていますが、大量に流れ込むと冷えて固まってしまい下水管の詰まりの原因や処理に悪影響を及ぼします。
下水処理には電力を使用しているので、油を下水に流すとその分多くの電力が必要になってしまいます。
更に、万が一処理しきれなかった廃食油が川や海に流れ込んでしまった場合、廃食油は微生物によって分解されますが、その際に微生物は酸素を消費しています。
微生物が酸素を過剰に消費してしまうことによって、酸素を必要としている魚が息ができなくなり死んでしまう事もあります。
油を排水溝に捨てるだけでこれだけ様々な影響が出てくるため、正しく処理をすることが大切です。
廃食用油のリサイクル
近年、回収された廃食用油は様々な処理を経てバイオディーゼル燃料(BDF)にリサイクルされています。
バイオディーゼル燃料とは、菜種油やオリーブオイル、使用済み食用油を原料としたものです。これらの油は、エステル交換反応を経てバイオディーゼル燃料に変換されます。これは、廃食用油にメタノールを反応させることで、廃食用油の主成分であるトリグリセリドが低分子化され、粘度の低い脂肪酸メチルエステル(FAME)へと変換、副産物としてグリセリンが生成されます。
粗製した脂肪酸メチルエステル(FAME)には不純物が残留しているため、温水で洗浄後、洗浄で用いた水分を除去し、フィルターでろ過をして燃料となります。
詳しい内容は過去のコラムをご覧ください。
名古屋市での廃食油回収
名古屋市では、植物性油に限り回収協力店舗にて回収しています。
一覧はこちら
https://www.city.nagoya.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000012/12908/kaisyukyotenichiran.pdf
また、廃食油を回収している業者もあり、ナガイホールディングス株式会社では無料で廃食用油を回収しています。
量によっては買取できる場合もありますので詳細をご覧ください。
https://repro.nagaiholdings.jp/
廃食用油をそのまま排水溝へ捨てている方や油の凝固剤を使用して処理をしている方は、ぜひ無料で回収する施設や業者を利用してみてはいかがでしょうか。