
前回はデジタルトランスフォーメーション(DX)の解説を行いました。
今回はDXと同様にニュースに上がる事の増えてきたGXについて解説していきます。
グリーントランスフォーメーション(GX)とは?
GXとは、従来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造を、クリーンエネルギー中心に移行させることで経済社会システムの変革を目指す仕組みです。
19世紀のイギリスで産業革命が始まって以降、人類は石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料を使用してきました。
その結果、深刻な地球温暖化を招くこととなってしまいました。
GXは、再生可能エネルギーやクリーンエネルギー中心へと転換し地球温暖化の原因である温室効果ガスの削減と産業の競争力強化を図っています。
GXが注目されている理由
①地球温暖化による気候変動の深刻化
温室効果ガスの1つとして知られるCO2ですが、大気中のCO2の濃度は産業革命以前と比べて40%も増加しています。(環境省調べ)
これが地球温暖化の原因となっており、今後もCO2の濃度が増し続ければ事態はもっと深刻になります。
そのために世界の主要国はCO2の削減目標を掲げているのです。
②エネルギーの安定供給
原油価格は2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻により一気に上昇しました。
ロシアは世界最大のエネルギー資源輸出国であるため、エネルギー資源の供給不安が一気に高まり、それによって輸入に頼らない再生可能エネルギーや準国産エネルギーとしての原子力への移行が注目されています。
③GXが新たな需要・市場を開拓する可能性
日本はもともと資源が乏しく、化学燃料のほとんどを輸入に頼ってきました。
その反面、エネルギー資源の有効活用や脱炭素に関する優れた技術を持っています。
現在世界各国が脱炭素に向けて様々な取り組みを行っているため、新たな需要や市場が創出され、日本は技術によって産業競争力を強化できると期待されています。
GXの課題
GXを推進するためには社会の理解を得ることが必須条件です。
例えば、準国産エネルギーの原子力に関して、原子力発電所の運転期間の延長を認めるGX脱炭素電源法には反発する意見も存在しています。
また、財源の問題も抱えており、20兆円規模の新たな国債(GX経済移行債)の発行も検討されています。
まとめ
GXは社会全体の変革を伴うものですから、初期投資のコストや人材不足など様々な課題があります。しかし、世界で成長を続けていくためには、しっかりと向き合い社会の理解を得ながら推進していく必要があるでしょう。