2024.09.27

工場での電池処理工程をより詳しく解説

前回に引き続き、電池のリサイクルについてご説明していきます。

今回は、工場内での処理方法について詳しくご紹介していきます。

 

Step1 選別

一次選別: 大きさ、形状、材質(アルカリ電池、マンガン電池、リチウムイオン電池など)によって大まかに分類します。
二次選別: 電池のラベルや刻印を読み取り、メーカー、容量、製造年などを確認し、さらに細かく分類します。この工程では、X線検査など、より高度な検査方法を用いる場合もあります。
異物除去: 金属片、プラスチック片、紙くずなどの異物を手作業または機械によって除去します。

 

Step2 破砕

事前処理: 電池の端子部分を切断したり、外装を剥ぎ取ったりするなど、破砕を効率的に行うための事前処理を行います。
破砕: ハムマミルやシュレッダーなどの破砕機を用いて、電池を数ミリから数センチ程度の粒度に粉砕します。この際、発火や爆発を防ぐために、窒素ガスを充填したり、冷却装置を使用したりするなどの安全対策が講じられます。

 

Step3 分別回収

物理的分離:
比重選別: 水や空気中で比重の違いを利用して、金属と非金属を分離します。
磁力選別: 磁石を用いて、鉄などの磁性体を分離します。
風力選別: 空気を吹きかけることで、軽いプラスチック片などを分離します。
化学的分離:
溶解: 酸やアルカリを用いて、特定の金属を溶解し、他の成分から分離します。
浮選: 気泡を付着させて、特定の成分を浮上させ、分離します。

 

Step4 精製

金属の精製: 分離された金属を、溶解、電解精錬などの方法で高純度に精製します。
化学物質の処理: 有害な化学物質は、中和、沈殿、焼却などの方法で無害化処理を行います。

 

Step5 リサイクル

金属の再利用: 精製された金属は、製鉄、鋳造、合金などの原料として再利用されます。
非金属の再利用: プラスチックは、粉砕され、新たな製品の原料として再利用されます。
エネルギー回収: 有機物を含む成分は、焼却炉で燃焼させ、エネルギーを回収する場合もあります。

 

Step6最終処分

残渣の処理: リサイクルできない残渣は、産業廃棄物として適切に処分されます。

 

その他Tips

リチウムイオン電池: 高エネルギー密度で小型軽量なリチウムイオン電池は、スマートフォンや電気自動車など、様々な分野で利用されています。しかし、リチウムイオン電池のリサイクルは、他の種類の電池に比べて技術的な課題が多く、コストも高いため、研究開発が盛んに行われています。
都市鉱山: 都市内に眠る廃棄物の中に、金、銀、銅などの貴重な金属が大量に含まれていることから、「都市鉱山」と呼ばれています。電池も都市鉱山の一種であり、その有効活用が注目されています。

 

いかがだったでしょうか。
電池のリサイクル過程を詳しく見てみると、かなり手間をかけてリサイクルをされていることが分かると思います。
Youtubeなどにも、様々な企業さんが工程を説明している動画がありますのでご興味があればそちらも見てみてください。

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